Interview

ライン整備は、航空機整備の最後の砦である。 整備センター 機体事業室ライン整備部 オペレーション整備第三課 小早川 健 2005年入社/工学部機械システム工学専攻 一等航空整備士(B767,B777,B787)ライン整備は、航空機整備の最後の砦である。 整備センター 機体事業室ライン整備部 オペレーション整備第三課 小早川 健 2005年入社/工学部機械システム工学専攻 一等航空整備士(B767,B777,B787)

チーム一丸となって臨んだ夜間作業。

小さい頃からクルマやロボットといった機械が大好きで、高校時代には「航空機のパイロットになりたい」という夢を抱くようになりました。さらに大学に入ると、同じく航空機好きの先輩から整備の大切さを聞き、整備士の仕事にも興味を持ちました。そこで就職活動では、パイロットと総合職技術職を併願し、最終的にANAの整備士として働くことが決まったのです。最初の配属はドック整備部門。機体全般を対象とした定時整備と突発的な不具合によって格納庫に運び込まれてくる航空機の整備を担当しました。例えば、「一晩でエンジンを交換する」といった整備作業もあり、そんな時は夜間チームが一丸となって作業に励んだものです。先輩の整備士からはよく「どんな時でも、安全性を決して疎かにしてはいけない」ということを叩き込まれました。入社2年目と4年目には社内資格も取得し、責任を持って担当できる範囲が広がり、整備の仕事が一層楽しくなっていきました。

航空機メーカーへ行き、ANAの新造機を受取る。

入社5年目には領収検査員としてシアトルにあるボーイング社へ行き、新規購入した航空機の引き受けに向けた最終確認を担当しました。完成の1ヶ月半前にシアトルに渡り、航空機のオペレーションシステムが設計通りに動くか、機体外側のペイントや取り付けられている部品はANAの要求する品質基準を満たしているかといったことを細かくチェック。エンジンの性能テストやフライトテストにも立ち会いました。技術や法律など様々な角度から確認を進める作業は想像以上にタフでしたが、メーカー側のエンジニアと共に仕事をすることで、航空機を飛ばしているオペレーション側のエンジニアとして蓄積している知見の重要性や自分たちの役割を改めて感じることもできました。帰国後は、これまで所属していたドック整備部門から、ライン整備部門へ異動。その後、現在もライン整備部門でキャリアを積み重ねています。

大空に飛び立つまでの限られた時間の中で。

ライン整備は、航空機整備の「最後の砦」ともいわれます。多くの仲間が関わって高い安全品質が保たれている航空機は駐機場で最終点検を行い、お客様を乗せて大空へ飛び立っていくのですが、ここに来るまでが順調でも最後まで気を抜くことは許されませんし、逆に見過ごされていた不具合を最後で食い止めることが求められるからです。飛行前や飛行間の点検では、まずグルッと機体の外周をチェックし、機体外板、エンジン、タイヤ等に損傷はないか、鳥や物がぶつかった形跡はないか等を確認します。次に機内に移動し、コックピット計器や客室内の状況点検、パイロットやCAの方々から運航状況や客室内の状況についての報告を受けます。もし「警告灯が点灯した」「異音がした」「雷に当たった」「シートがリクライニング出来ない」といった事象が発生したら、修復に必要な様々な追加情報を短い時間の中で的確に収集していきます。それらの情報について、無線を使用し、整備事務所のコントローラーに報告。必要があれば、別の整備士の支援を仰ぎ、交換する部品の手配等を含め、飛び立つまでの限られた時間の中、迅速かつ的確に組織的に作業を行います。航空機の安全を担保する仕事はプレッシャーも大きいですが、そのぶん、やりがいも大きい仕事です。

B787型機の今以上の安定運航に向けて。

ライン整備に異動して3年目には所属グループの組織的とりまとめを行うチーフを拝命。日々の航空機の状況だけでなく、メンバーの状況も把握する役割を授かりました。また、2014年からは「B787型機の運航品質向上プロジェクト」に参加。ANAが世界で初めて導入したB787型機に特化し、技術部や航空機メーカーと一緒にいっそうの安定運航に向けた各種改善に務めています。具体的にはB787型機の整備に関わる整備士から現行の手順マニュアルでは解決できなかった不具合の報告といった現場の声を集約し、その内容を同プロジェクトにて検証、整備方法を見出していくという業務です。ライン整備の現場で培ったノウハウや知見を活かし、整備方法の改善に成功した時はやはり嬉しいですね。私自身も、B787型機の信頼性を今以上に大きく向上させることができればと考えています。そして、その後はさらに様々な不具合と向き合う仕事、世界中を飛んでいるANA機の不具合の解決に挑んでみたいと思います。

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