Interview

機体構造整備を中心に、海外メーカーや整備会社との連携を深めていく。 整備センター 機体事業室ドック整備部 構造整備課 松本 真治 2007年入社 基礎工学部システム科学科 機械工学専攻 航空工場整備士(機体構造)機体構造整備を中心に、海外メーカーや整備会社との連携を深めていく。 整備センター 機体事業室ドック整備部 構造整備課 松本 真治 2007年入社 基礎工学部システム科学科 機械工学専攻 航空工場整備士(機体構造)

世界で活躍する日本人の架け橋になりたい。

航空機に初めて乗ったのは高校生の時です。「こんな大きな金属の塊が空を飛ぶなんて」と感動しました。就職活動では「世界で活躍する日本人の架け橋になりたい」という想いを抱き、航空会社を志望。機体の一部分ではなく、航空機全体に携わることができる点にも魅力を感じました。最初の配属はドック整備部構造整備課。ドックとは航空機を格納する大型倉庫のような空間です。航空機は一定の飛行時間や離着陸回数によって定期的にドックで整備を行います。自動車で例えるならば車検のようなものですが、航空機はその大きさから部品点数も膨大です。また、整備の深度によって「A整備」「C整備」と分かれており、長年使用している古い機体ともなると、1ヶ月前後の工期を確保し、徹底的に整備・点検を行います。機体の中は椅子も壁もすべて外され、客室内はがらんどう。エンジンも取り外してしまっている状況を見て、1年目の私は「本当に元に戻して、空を飛べるのだろうか」と思いました。

機体構造の整備を一つひとつ習得していく。

私は、入社以来7年間、機体構造の整備部門を担当してきました。機体構造に対する非破壊検査から胴体外板の修理作業、主翼の改造作業まで、機種に関係なく機体構造のすべての作業に携わってきました。航空機はおよそ時速900kmの巡航速度で飛び、上空ではマイナス70度、地上では40度を超える表面温度を体験するような過酷な使用状況の乗り物です。万一、自分の担当した作業が原因で不具合が発生したらと思うと、常に気が抜けません。お客様を安全快適に運び続けるためにも、整備士の行う整備作業は完璧でなくてはならず、非常に責任感のある仕事です。新人時代は、工具の整理整頓ひとつで先輩から厳しく指導を受けることもありましたが、今思えばANAの中で何十年も引き継がれている安全に対する高い意識を身体に叩き込まれていたのだと思います。

様々な資格を取得し、仕事の幅を広げる。

また、一人前の整備士として責任ある作業を任せてもらえるかどうかは資格取得が大きく関係してきます。整備士は入社以降、社内資格、国家資格を取得するごとに携われる仕事の幅が広がっていきます。私自身も日頃の業務と並行しながら、絶えず勉強や訓練を続け、いくつもの資格を取得していきました。さらに、入社3年目にはジョブローテーションで工程計画部門の業務を経験。ここでは機体構造だけでなく、すべての整備作業を把握する必要があり、機体全体の状況を掴む力や多様な関連部署とのネットワークが培われていきました。そして、5年目には海外実務研修員としてシアトルのボーイング社に赴任。これまで取得した資格も活かし、ANAの購入する新造機領収業務を担当しました。1人で1機の機体構造を隅々までチェックし、こちらの依頼通りの仕上がりになっているのかを確認するのですが、私の一言はANAを代表する言葉であり、自分たちが求める品質をメーカー側にも妥協することなく求めました。それでも、この先、その機体に乗る何十万何百万というお客様のことを想像し、最後にサインする際には非常に緊張したのを覚えています。

世界で初めて787型機の初回C整備を担当。

帰国後は、新造機や海外整備委託機のチェックも行う領収検査を務めながら、ドック整備の機体構造整備担当としてゾーンコントローラー*1も兼務。構造整備のスキルを取りまとめながら、不具合発生時に関連部署と連携し、ドックインからドックアウトまでの工程の進捗管理を行っています。当然ですが、これだけ大きな航空機を1人で整備・点検することは難しく、たとえば機体一般を担当する整備士、電気電子装備品関係を担当する整備士、客室を担当する整備士など、様々なスキルを持った整備士が一つの目標に向けて知恵と技術を出し合うのです。2014年度は世界で初めてボーイング787型機の初回のC整備が計画され、私はその構造整備のスキルを取りまとめるゾーンコントローラーを務めました。世界初ということでノウハウもなく、試行錯誤の連続でしたが、ボーイング社のサポートも受けながら、初めて経験する不具合に対して早急に対応・修復し、最終的にドックアウトできた時の達成感はひとしおでした。今後は領収検査業務をはじめ、より世界を舞台に世界中の人たちと関わる仕事を増やしていきたい。そして、入社時の目標でもある「世界との架け橋」に自分自身が少しでも近づけたらと思います。
*1;ドック整備において、大まかな作業スキルをゾーンと呼ぶ。そのゾーンの責任者がゾーンコントローラーである。

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