多様な役割がある。その全てが航空機の運航に繋がっている。 訓練センター 訓練整備部専門訓練チーム 長島 愛 2003年入社 工学部機械工学科 一等航空整備士(B777)多様な役割がある。その全てが航空機の運航に繋がっている。 訓練センター 訓練整備部専門訓練チーム 長島 愛 2003年入社 工学部機械工学科 一等航空整備士(B777)

たとえ現場であっても、男女の差はない。

大学に入学する前から、整備士という仕事に憧れを抱いていました。手を動かせる仕事がしたかったということに加え、小さい頃から空港で感じるワクワク感が大好きだったからです。大学も、整備士になる可能性を考えて選んだほどでした。入社後は、念願が叶い整備部に配属。その中でも私は、ジェネラルメカニックという領域を担当していました。ドックと呼ばれる格納庫において夜中のうちにエンジン交換をし、朝には航空機をリリースするような、限られた時間の中で機体のパーツを交換していく仕事です。当時羽田のドックには約400人の整備士がいましたが、その中で女性は私を入れてたったの7人ほど。今でこそ女子会を開くと顔を覚えきれないほどの女性社員が集まりますが、当時は現場での女性採用が本格的に始まったばかりだったのです。それでも、危険な力仕事の部分以外で男女の差を感じた記憶はほとんどありません。危ないものは危ない、ダメな部分はダメだとしっかり叱ってくれる先輩方が周りにいたおかげで、やりにくさを感じることなく成長していくことができました。

国家資格取得に向け、勉強漬けの2年間。

せっかく整備士になったからには最難関の国家資格を取得したいと思い、入社4年目からはB777型機の一等航空整備士資格取得に向けた勉強が始まりました。基本技術からシミュレーターを使用したトラブルシュートの方法まで、約2年もの間勉強漬けの日々。「社会人になってもこんなに勉強するんだ」と驚くほどでした。周りの人に支えられ何とか合格できたものの、正直に言うと合格までの道のりはかなり険しかったです。ただその経験が、後で活きることになりました。入社6年目には整備部から整備本部技術部に異動となり、航空機の油圧システムや、ランディングギアという足回りのシステムを担当。機体に不具合が見つかった際、その原因を分析してどう対策を打つかを考えることが主な仕事となりました。異動したばかりの頃はほとんど現場の経験しかなく、技術部でやっていけるのか不安もありましたが、本当に人に恵まれ、上司や先輩方に支えていただきながら徐々に仕事をこなせるようになっていきました。今でもお世話になった部署の方々と連絡をとっています。そうした人との繋がりは、今の私にとっての大きな財産です。

B787型機の導入をオペレーションから支える。

入社8年目には運航本部技術部へと移りました。この部門はフライトに関連する技術部門で、パイロットの操作手順や航空機システムの操作方法を検討・作成する仕事をしています。私は、航空機メーカーのマニュアルを基に、コックピット内のスイッチやライト、ディスプレイ表示が何を表しているかなど航空機システムを記載した運航マニュアルを作成していました。フライトに関する専門知識がない私にとってはパイロットのオペレーションを支えるのは簡単ではありませんでしたが、そこが新鮮で面白い部分でもありました。在籍した2年間の中で特に記憶に残っているのが、B787型機の導入に携わったことです。新しい機種が運航するとなれば、様々な課題が出てきます。けれどもフライトの日までには、その課題を解消しなければならない。そのため、どうしたら安全にオペレーションできるかについて、パイロットと一緒に細部まで詰めていきました。「ここに不安要素がある」「この部分は実際に運航し始めたら使い難いのでは」といった意見を整備部門の技術部や航空機メーカーにフィードバックしながら、マニュアルを作成。新型機の導入という貴重な機会において、他の部門と手を取り合い、課題を乗り越えていくという貴重な経験を積むことができました。

お世話になった方々へ恩返しをしたい。

入社10年目からは、今の整備訓練部で働いています。実はこの部門こそ、以前私が苦しんだ国家資格の取得を支えるための部門なのです。現在は資格取得のためのプランニングを担当しており、スケジュール管理や一人ひとりのサポート、効果的な勉強方法の分析などを行っています。異動初日の挨拶で言ったのは「お世話になった方々に恩返しをしにきました」という言葉でした。当時は本当にいろいろな方に支えていただいたので、今度は逆に若手社員を支えられるよう努めています。また、この業務以外に、海外の基地開設に伴う整備委託先の訓練など社外と関わることもあり、社内外含め幅広い仕事を行っています。これまでのキャリアを振り返ると、それぞれ毛色が違う部門を経験してきたと感じています。それぞれに面白さがあり、異動のたびに視野が広がっていくことを感じています。間違いなく言えるのは、意味のない仕事など1つもないということ。機体を安全に飛ばすためには、どの業務も必要不可欠なのです。どんな部門で働いても、全ての仕事が航空機の運航を支えることに繋がっている。そう実感できるのが、ANAで働くことの良さだと思います。