様々な経験を活かしANAの整備のあり方を根本から考えていく。整備センター 業務推進部 企画チーム 主席部員 竹下 巖 1998年入社 工学部産業機械工学科卒様々な経験を活かしANAの整備のあり方を根本から考えていく。整備センター 業務推進部 企画チーム 主席部員 竹下 巖 1998年入社 工学部産業機械工学科卒

ものづくりの興味の先に大きな出会い。

小学校時代から工作が好きで、プラモデルやラジコンをよく作っていました。大学生になる頃にはバイクや自動車など機械全般に興味を持ち、その中でも最も大きな機械である航空機に強い関心を持つようになりました。就職活動ではパイロット職も受験しましたが、最終的にはANAの整備部門で働くことを決めました。日々の運航を支える整備士の仕事に大きなやりがいを感じ、入社したのを覚えています。最初の配属は、航空機のエンジンである原動機の整備部門です。航空機の整備は原動機分野とそれ以外の分野に分かれるほど、原動機の整備は高度な専門性が求められます。この現場で5年間、原動機を部品単位まで分解し、一つひとつチェックした上で組み立て直し、試運転を行うといった整備工程を何度も繰り返し経験したことで、原動機の構造や整備手法、整備の基本動作などを体得することができました。さらに今度は、その知識や技術を、技術部の原動機技術チームで活かすことになったのです。

原動機部門の整備を深く究めていく。

技術部では、それまでの現場での整備より一段高い視点から原動機と向き合う働き方が求められました。ここでは航空機の信頼性を向上するには、どのような整備を実施すべきか、具体的なプログラムを考え、決定していきます。当然機械である限り、不具合は起こります。その兆候を整備で発見するために、ANAだけでなくすべての航空会社で起こったトラブルも自分ごとのように捉え、常に整備プログラムの改善を図っていきました。しかし、ただ兆候を察知し、部品を交換すれば済むという仕事ではありません。原動機には1つが何千万円もする高額な部品もあります。交換のタイミングの見極めには難しさとともに、常に大きな責任を感じていました。それでも、自分の担当する原動機に関しては、社内の誰よりも詳しいという誇りを持ち、判断を下していきました。そして、技術部に異動して3年が経つ頃、海外実務研修に参加することが決まったのです。

航空機を使う側のエンジニアとして。

研修先はイギリス。当時、ANAでは世界に先駆けてボーイング787型機の導入を進めていたのですが、その787型機の原動機を製造しているロールスロイス社で2年間、エンジニアとして働くことになりました。本当にすべての体験が新鮮でしたね。特に、同じエンジニアでもメーカー側とオペレーション側では重視するポイントに違いがあることがわかり、実際に航空機を使う側として、自分たちの知見をもっとメーカー側に伝えていく必要性を強く実感しました。帰国後は、技術部に戻り、開発に携わったボーイング787型機の主担当となり、海外で築いたネットワークも活かしながら、新型機の世界初導入という貴重な経験に立ち会うことができました。想定外のケースも世界で初めて経験し、苦労も絶えませんでしたが、ロールスロイス社の担当者から、”あなたのおかげで導入時におけるパフォーマンスとして当社史上最も優れた原動機を製造することができた”と言ってもらえた時は、この仕事を続けてきて良かったと心から思いました。

スペシャリストの道も、ゼネラリストの道も。

現在は業務推進部に所属し、中長期的な視野に立ち、ANAの整備そのもののあり方を検討する仕事に携わっています。ANAが今後、国際線の拡充を進めていく中で、航空機の信頼性をさらに高めながら整備の効率化を図るにはどうすればよいか。私たちは整備の現場はもとより、運航部門や本社部門といったあらゆる部門を巻き込み、新しい体制づくりや仕組みづくりに取り組んでいます。さる2013年度、ANAでは次世代航空機70機の調達計画を発表しましたが、この大型プロジェクトにも参加。整備の観点から機体や原動機の選定を検討し、メーカー側との交渉にも加わりました。最先端技術の結集である航空機は、整備の頻度も難易度も通常の機械製品とは比べものになりません。つまり、どのパートナーを選び、どんな関係を構築するかは、今後の整備のあり方にも大きく関わってくるのです。また、この先の自分自身のキャリアに関しては、正直、迷っています。原動機のスペシャリストとして歩んできた道も、現在のゼネラリストとして経営に携わる仕事も、どちらも面白い。いずれは航空機整備のイノベーションにも関わることができればと考えています。