PROJECT STORY in Singapore

PROJECT STORY in Singapore アジアの成長を、ANAの成長に取り込め アジア・オセアニア室 星谷浩司×成田健太郎×平山直×渡邉勝PROJECT STORY in Singapore アジアの成長を、ANAの成長に取り込め アジア・オセアニア室 星谷浩司×成田健太郎×平山直×渡邉勝

2015年10月。アジア・オセアニア地域12カ国の支店の
総務・営業・空港などの統括機能を備えた「アジア・オセアニア室」がシンガポールに誕生した。
成長著しいアジアマーケットでANAの存在感をいかに強めていくことができるか。
今回は、その中心メンバーとしてアジアの最前線で挑戦し続ける
4名の社員が集まって、これまでのこと、これからのことについて語り合った。

  • 星谷 浩司
    星谷 浩司

    アジア・オセアニア室
    総務兼シンガポール支店

    同部署・支店のマネジメント業務に加えて、同地域の人財育成支援等にも広く携わっている。海外で働くようになってから「多様性」の大切さを身を持って感じたという。同時に、海外で働く仲間を見て「ANAマインドは世界共通だった」とも語る。

  • 成田 健太郎
    成田 健太郎

    アジア・オセアニア室
    総務兼
    シンガポール支店総務

    同地域に広がる全12ヶ所の支店の総務部門の支援業務を担当。各国へ出張する日々を送る。シンガポールに来てからの一番の変化は、日本とは異なる「海外からの視点」で物事を見ることができるようになったことだと語る。

  • 平山 直
    平山 直

    アジア・オセアニア室
    マーケティング&セールス

    同地域における収入計画、運賃設定といったマーケティング業務に広く関わる。シンガポールで働くようになってから、仕事の裁量が大きくなり、「スピード感、責任感のある仕事ができるようになったことが大きなやりがい」という。

  • 渡邉 勝
    渡邉 勝

    アジア・オセアニア室
    マーケティング&セールス

    同地域のグローバルカスタマー獲得に向けての営業戦略の立案、WEBプロモーションのプロ。日本を離れたことで、日本の良い所も悪い所も客観的に見えるようになり、その視点が訪日需要の取り込みといった仕事にも活かせているそうだ。

―最初に「アジア・オセアニア室」が誕生した背景を教えてください。

  • 星谷

    まず2012年4月、シンガポールに「アジア・マーケティング室」が立ち上がりました。ANAとして日本人以外の利用客、つまり、グローバルカスタマーへのアプローチ強化が目的です。

  • 渡邉

    当時はマニラ支店やジャカルタ支店を設置したばかりの頃で、各支店の営業サポートのためにデータやノウハウの集約化、高度化、効率化も必要でした。アメリカやヨーロッパ、中国ではすでに地域統括本部があり、機能していたので、アジアでも統括本部設置に向けたプロセスとして、マーケティング部門だけでも先に立ち上げようということになったのです。

  • 成田

    その後、2013年7月に中国・香港以外のアジアの貨物部門の営業組織を統合。これでアジアにおける営業の統括およびサポート機能がシンガポールに集まりました。

  • 星谷

    そして、その翌年の2014年に空港業務、さらに2015年には総務業務、つまり人財のマネジメントに携わるサポート機能も統合することになりました。しかし、人財と一括りに言っても、その地域ごとに文化や風習、課題も全く異なります。営業ほど共通化できる部分も少なく、この部分は未だに苦労していますね。

―なるほど。逆に、統合したことによる成果は見え始めましたか?

  • 成田

    それぞれの地域のマネジメントに関する課題を洗い出すことで、当然その多くは個別に対応すべき課題なのですが、共通の課題も見えてきました。この部分に関してはシンガポールで支援できる部分だと思います。また各支店からすれば、相談できる窓口が、日本にある本社ではなく、同じアジアの近い地域に出来たことは大きいのではないでしょうか。やっぱり相談しやすいですよね。

  • 星谷

    同時に、日本にある本社は飛躍的に便利になったと思いますよ。これまでは12カ国の各支店全てと連絡を取り合わなければいけなかったものが、シンガポール1つで済むわけですから。ただ、私たちは現場をサポートするために存在しているので、現場への貢献度をもっと高めていく必要がありますね。

―では、次にマーケティング部門を担当する平山さん、渡辺さんに質問です。具体的にはどういった業務に従事されているのですか?

  • 平山

    大きく3つのチームに分かれています。まず、1つ目が私のいるチーム。主に収入計画や運賃設定などを行っています。もう1つが、隣に座っている渡邉さんの所属するマーケットコミュニケーションチーム。広告やPR、WEBによるプロモーション等を担当しています。そして、3つ目のチームは香港にあり、ユナイテッド航空とのジョイント・ベンチャーを中心とした法人営業や旅行代理店との交渉等を行っています。

―3つ目のチームは香港にあるのですね?

  • 渡邉

    ユナイテッド航空のアジア拠点が香港にあるため、その関係強化を図るには近くにあった方がいいのではという考えからです。ただ一方で、同じ地域のマーケティング&セールスに携わるのだから、3チームともシンガポールに置いた方が意思疎通も図りやすいのではという意見も当然あります。いろいろ試している過渡期。走りながら考えるANAらしいところだと思います(笑)。

―ちなみに平山さん、渡邉さん。アジアマーケットにおける収入計画や運賃設定の難しさ、面白さの特徴はありますか?

  • 平山

    マーケットの動くスピードは、日本とは比較にならないほど速いですね。それに付いていくのは、難しさであり、面白さです。それから「アジアマーケット」といっても、それぞれの国によってお客様の購買行動から商習慣まで全く違うので、それぞれの国に合った販売戦略を立てる必要があります。

  • 渡邉

    本当にそうですね。例えば、人口だけを見てもインドネシア2億4000万人、シンガポール500万人、タイ6000万人、マレーシアは3000万人です。さらにマレーシアを例に挙げると、同じ国の中に中華系マレーシア人、マレー人がいて、そもそも皆がどこに住み、どの言葉を使って日頃生活をしているのかも調査する必要がある。しかも、個人によって経済力も、旅行形態も大きく異なっています。

―旅行形態とは?

  • 渡邉

    団体旅行やパッケージツアー、そしてパソコンやケータイから航空券を買う個人旅行のことです。ちなみに、日本の場合はこの旅行形態が長い時間をかけてゆっくり変化していきました。しかし、シンガポールを除くアジア地域では、この旅行形態がどれも同時に存在し、同時に進化しているため、その国々によってどこにどんなニーズを持つお客様がいるのかを探しし当てるのが非常に難しいのです。

―なるほど。

  • 渡邉

    さらに、ANAの認知度、ましてブランド力は世界の市場に出てきたら、まだまだ低い。取り組まなければいけない課題は山積みです。そのことをシンガポールに来て、この1年間で嫌というほど思い知らされました(笑)。しかし、1つ言えるのは、アジアマーケットは今、もの凄い勢いで伸びています。このビジネスチャンスをANAがどう活かせるか。それが、ANAの今後の国際競争の勝ち負けを決めるといっても過言ではないと思います。そうした大きな舞台に身を置かしてもらっていることは、非常にありがたい。…と、隣の平山さんがいつも言っています。

  • 平山

    …急に何ですか?(笑)

  • 渡邉

    いや、ちょっと喋り過ぎたかなと思って…。

―大丈夫ですよ(笑)。

  • 渡邉

    では、もう1つだけ(笑)。シンガポールに来てから強く意識するようになったのが、WEB戦略です。シンガポールの人たちはほぼ全員といっても過言では無いほど航空券をWEBで買います。そして、WEB広告も日本以上に進んでいる。こうしたデジタルマーケティングの最前線で、日本にいる本社のWEBチームと一緒に新しい挑戦がいろいろできるのは、面白いですね。以上です。

―では、星谷さん、成田さん、お待たせしました。次に、総務や人財といった観点からアジア・オセアニア室の可能性を教えていただけますか?

  • 星谷

    結局、良い結果を出すのは、良い人であり、良い組織だと信じてやっています。良い結果だけを追い求めても、企業として持続的に成長することはできません。そういう意味でも、アジア・オセアニア地域の各支店の人、組織のレベルを上げていくために一つひとつ丁寧にサポートしていくことが重要だと思います。

  • 成田

    本当にそう思いますね。バランスの取れていない組織は5年後、10年後に行き詰まってしまうので、この支店にはどういう人財がいて、どの人がキーマンになりそうか、そのための教育はどうするか、といったことの支援に力を入れていく必要があります。

―具体的にはどのように支援していくのですか?

  • 成田

    現在はまず、各支店を回り、話を聞いて、現状の把握に努めています。そして、もし人が足りなければ採用支援を行いますし、逆に人が多いのであれば有効に働けるフィールドを探す手伝いを行っています。

  • 渡邉

    突き詰めれば、マーケティングや営業の強化も、人財の強化ですからね。そして、その人に関わる部分が海外では圧倒的に難しい。だからこそ、日本にいる時以上に営業部門と総務部門の連携が求められると思います。

  • 星谷

    総務業務や経理業務と密接に関係する法律も12カ国全てで異なりますからね。それに、アジアは法律ももの凄いスピードで変わるんですよ(笑)。だから、常にキャッチアップしていくにはためには、総務の人財ももっと育てていかないといけません。

  • 平山

    アジア・オセアニア地域で次々に増えている新規路線就航の際も総務部門の力が欠かせませんよね。そもそも現地の事務所をどうするか、就航記念パーティには誰を呼ぶかなど、同時進行でたくさんの業務を回していかなければいけませんからね。

  • 成田

    そういう意味でも、シンガポールの同じ拠点内に営業部門と総務部門のチームが一緒に働いているのはやりやすい。ある程度、こちらで話をまとめた上で、東京の本社に「こうこう、こういう風にやりたい」と伝えられますからね。

―なるほど。では、最後に。アジア・オセアニア室の今後について教えてください。

  • 渡邉

    日本の航空産業は過渡期にきていると思います。特に、ANAが海外で認められるエアラインになれるかどうかは、正直これから10年間のアジアでの成長にかかっていると思っています。そして、その屋台骨を支える存在が、このアジア・オセアニア室になっていくのではないでしょうか…と平山さんが言っています。

  • 平山

    はい(笑)。私もそう思います。

  • 成田

    後は、総務部門も営業部門も現地化をどう進めるかだと思います。ずっと日本から日本人が来て管理するというスタイルでは限界がありますからね。

  • 星谷

    今回、アジア・オセアニア室は、ANAの地域統括会社として4番目に生まれた子供なんですよね。米州室、中国室、欧州室があって、アジア・オセアニア室。そういう意味では、私たちは兄の背中を見ることができますし、このマーケットの急速な成長を考えても、他地域と比べて結果を出すまでの時間はあまり残されていない。その中で自分たちの存在感を高めて、お客様に認識していただいて、社員がいきいきと活躍できる環境を築いていかなければいけません。まあ、でも、あるべき姿に向けて、走りながらやっているのはANAらしいかな(笑)。私たちが全力で駆け抜けて、次の人たちにしっかりバトンを渡したいですね。

渡邉・平山・成田・星谷
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